atricot作品集
先週は東京ホビーショーで近畿編針さんのワークショップを担当させていただきました。3日間でのべ100人(と思ってたら実は97人でした。おしい!)の方に参加していただきました。しかも今回販売ブースが離れてるうえに助っ人一切なしだったので、たくさんの方にお待たせしてしまったのが心苦しかったですが、とても楽しい時間でした。取引先さんや、これからお世話になるであろう方々も会いにきて下さって嬉しかったです。ありがとうございました。しっちゃかめっちゃかで写真一切なしです。
と、atricot活動報告をいきなり書きましたが、ここ最近ブログだけでなくSNSも完全に滞っちゃって眺めるだけになってしまっています。
以前、TJWKだけじゃなくて、atricotのことも書きはじめますと宣言したにも関わらず、忙しさにかまけてサボってしまってすみません。しかも、シーズンがオフってしまい、今やってることがすべて水面下で進めてるプロジェクトなのでいきなり書くことがないです。
あ、でも今年に入って心に残ったことを。羊パレットで、私のつくった作品がニッケセレクト賞に選ばれました。
素晴らしい作家さんたちの錚々たる作品のなかで、私のはすすーっと前を通り過ぎていっちゃいそうなきわめて地味な作品で、まさかまさかそんな賞がもらえるとは思いませんでした。見に来てくれた人も、「いつもと違って地味やね」(大阪のお姉さん方は正直…)と仰ってましたし。。
もちろんこれまで賞とか取ったこともなく、取りに行けるような作品もほぼほぼ作らず、生業のためのショートスパンの仕事ばっかりやってたので、長い時間かけて、自分のなかの普遍的な部分をテーマにつくったのはほんとに久しぶりでした。刈り立ての羊を洗って、干して紡いで、編んで織って…いつもの仕事に比べてほんまに気の遠くなるような作業で(それでも他の出品者の方々に比べればすごく短い方だと思います)…私自身は、いい作品は必ずしも時間をかければいいっていうもんでもないと思っているので、もうしばらくはいいや。と思っていたのですが、だんだん作業する時間がとても愛おしくなってきました。とはいえ、生業の方もやらないといけないので、完成させてスピナッツでの撮影が終わると(あ、そうそう、これはスピナッツで私のことを特集してくださったときに編んだ作品なのでした。)ぱっと手から離れて、正直羊パレットでは他の業務に追われて、出品していたのも忘れていました。ですがなんとニッケさんで紡績されている職人さんの目にとまったそうで。これは超身内ですが、いつも私の作品を「はしにも棒にもかからん」とけちょんけちょんに言うルイスさんもなぜかfacebookで絶賛してくれていて、ああ、これもひとつの伝え方とした合っていたのかなぁと思いました。今も、限られたキャッチーなテーマに、どう普遍性をのせることができるのか悩む日々ですが(もしかしたら、このやり方さえも間違っているのかもしれませんが)やればやるほどおもしろいし、まだまだポテンシャルを見出せるのではないかと思うとドキドキします。そう思えることが幸せです。
羊パレット後、ポンタさんに写真をいただきました。みやこうせいさんのルーマニアの人々の写真です。他の方ももらっていらしゃったのですが、はっきり言ってこの写真がダントツに胸にささるものでした。ポンタさんすごい。
今にも話し声が聞こえてきそうで、きっとこのあとはみんなで飲んで歌って踊るんだろうな。誰かが生まれても誰かが死んでも、毎日糸を紡ぎ、歌って踊るんだろうな。それは私のなかの手仕事、もっと言うと人の営みの原風景でもありました。帰って殺風景な新しいアトリエの壁にかけました。かけた瞬間タラフ・ドゥ・ハイドゥークスの激早なバイオリンが頭のなかで流れ、人と家畜と草の匂いがし、なんだかよくわからないけどわんわん泣いてしまいました。
なので、次はルーマニアに行くことにしました。
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