朝から羊を洗いました。
チェビオットの首元らへんのわりと細い柔らかい部分380gです。首元なので、ゴミもあまりなく、洗う前からわりとキレイ。
↑洗う前の羊毛です。茶色いけど、油分が少なく、これでもすごくキレイだと思います。
それからモノゲン20gとお湯に浸け込むこと6時間。
練りモノゲンはこんなかんじにあらかじめお湯で溶かしておきます。
漬け込んだ直後は匂いがむわーんと漂うのでいつも過剰反応してしまうのですが、そういえば今回は全然匂いがしませんでした。おそらくメスですね。
ほんとに気付かなかったことにちょっとショックでした。洗い甲斐がないもの。
やっぱりキレイだったからか、私の鼻が羊の匂いに慣れきってしまったのか…でも汚毛洗いはほぼほぼ1年ぶりです。
漬け置き後羊を取り出すと、泥がキレイに落ちてるのがわかります。
チェビオットといえば赤い土というイメージですが、今回は普通の土の色でした。
そして、つまみ洗いをします。掌にのるぐらいの毛ひとつまみを取り出して新しいモノゲン液に漬け、特に汚れやすい毛先を手早く洗います。380gしかないので、余裕です。去年は1頭分(1キロ以上はありました)いっぺんにやってしまってたらいからはみ出て戻るに戻れずでした(笑)
しんどくなってひとつまみの量がどんどん増えていくという。
↑右が洗う前、左が洗ったあと。ちょっとだけ白くなったかな。
2回すすいで、ネットに入れて脱水1分。新聞紙の上にゴザをひいてそこに並べて干します。
あまりにも美しくて、ため息が出ます。生まれたての赤ちゃんみたいな、無条件にキラキラしたかんじ。
ほぐしたいのをグッと我慢して、今日の羊作業は終わりです。
以前も自分のブログで、羊を洗った記事を書いていたのを読んだけど、多分、洗うたびに書いてしまうのだと思う。それくらい、記録したい、伝えたい作業かもしれません。
紡ぎを始めたときは、もともと洗ってキレイに梳いてある羊毛ばかり使っていたので、洗いから始めるなんてめんどくさすぎて正直考えられなかったけど今はこの行程が一番好きです。染めをしないので、カラフルな糸が欲しいときはどうしてもスライバーかトップ(洗って梳いたキレイな状態の毛のこと)を使うことになるのですが、紡ぐなら洗わないとなんだかもったいないなと思ってしまうくらい。あ、でも自分が紡ぐのではなく、誰かのために洗うのは嫌です(笑)作品にするために素材とお互いの自己紹介をして、インスピレーションをもらう作業なのです。
でも、実をいうとこれは編みません。織ります。大丈夫かな、私。
合間に、コラムをやっと書き上げました。昨日からいろんな方の素晴らしい言葉が脳内に入り込んでいますが、ちゃんと自分の言葉で書きたいので、今日は自分のこれまで執筆したものをかたっぱしから読んでみました。作品同様、小っ恥ずかしい気持ちが勝ってあまり読み返してないのですが、当時は失敗した!恥ずかしい!という気持ちでも、もう7、8年経ったら恥ずかしくもなんともなくなります。良いのか悪いのか、経験がちゃんと血肉になってるのか、なってないのか…
どうせなら直近の仕事も恥ずかしくなくなればよいのだけど。
今日のニット:新作のトレンカ3種のうちの1つめ。ついに新作プロジェクト動く。つくりたいものがどんどん出て来るけど、どっこいそうはいかないハイゲージの嵐!
今日の音:Taraf de Haidouks「Dumbala Dumba」愛するルーマニアのロマ(ジプシー)バンド。今日は羊を触ったので、ルーマニアの羊に会うのを楽しみにしながら久しぶりに聴いたけど、やっぱり前世はジプシーだったのではないかと思うくらい響きます。(その割になぜ音楽の才能はまったく残ってないのだろう…)特に表題の曲はいてもたってもいられず、踊ってしまいました。