京都を中心に活動するニット・アーティストatricot(アトリコット)のHPです。ニット作品やオリジナル手紡ぎ糸、ニットカフェ、レッスン動画、羊や糸紡ぎなどについて紹介しています。

atricot×knit ときたま羊
atricotのニット活動と、TJWK関西の情報を中心に、ぽろぽろと日々のことも。
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atricot作品集

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チェビオットを洗う
朝から羊を洗いました。

チェビオットの首元らへんのわりと細い柔らかい部分380gです。首元なので、ゴミもあまりなく、洗う前からわりとキレイ。



↑洗う前の羊毛です。茶色いけど、油分が少なく、これでもすごくキレイだと思います。

それからモノゲン20gとお湯に浸け込むこと6時間。



練りモノゲンはこんなかんじにあらかじめお湯で溶かしておきます。



漬け込んだ直後は匂いがむわーんと漂うのでいつも過剰反応してしまうのですが、そういえば今回は全然匂いがしませんでした。おそらくメスですね。
ほんとに気付かなかったことにちょっとショックでした。洗い甲斐がないもの。

やっぱりキレイだったからか、私の鼻が羊の匂いに慣れきってしまったのか…でも汚毛洗いはほぼほぼ1年ぶりです。



漬け置き後羊を取り出すと、泥がキレイに落ちてるのがわかります。
チェビオットといえば赤い土というイメージですが、今回は普通の土の色でした。



そして、つまみ洗いをします。掌にのるぐらいの毛ひとつまみを取り出して新しいモノゲン液に漬け、特に汚れやすい毛先を手早く洗います。380gしかないので、余裕です。去年は1頭分(1キロ以上はありました)いっぺんにやってしまってたらいからはみ出て戻るに戻れずでした(笑)
しんどくなってひとつまみの量がどんどん増えていくという。

↑右が洗う前、左が洗ったあと。ちょっとだけ白くなったかな。

2回すすいで、ネットに入れて脱水1分。新聞紙の上にゴザをひいてそこに並べて干します。





あまりにも美しくて、ため息が出ます。生まれたての赤ちゃんみたいな、無条件にキラキラしたかんじ。
ほぐしたいのをグッと我慢して、今日の羊作業は終わりです。

以前も自分のブログで、羊を洗った記事を書いていたのを読んだけど、多分、洗うたびに書いてしまうのだと思う。それくらい、記録したい、伝えたい作業かもしれません。

紡ぎを始めたときは、もともと洗ってキレイに梳いてある羊毛ばかり使っていたので、洗いから始めるなんてめんどくさすぎて正直考えられなかったけど今はこの行程が一番好きです。染めをしないので、カラフルな糸が欲しいときはどうしてもスライバーかトップ(洗って梳いたキレイな状態の毛のこと)を使うことになるのですが、紡ぐなら洗わないとなんだかもったいないなと思ってしまうくらい。あ、でも自分が紡ぐのではなく、誰かのために洗うのは嫌です(笑)作品にするために素材とお互いの自己紹介をして、インスピレーションをもらう作業なのです。

でも、実をいうとこれは編みません。織ります。大丈夫かな、私。

合間に、コラムをやっと書き上げました。昨日からいろんな方の素晴らしい言葉が脳内に入り込んでいますが、ちゃんと自分の言葉で書きたいので、今日は自分のこれまで執筆したものをかたっぱしから読んでみました。作品同様、小っ恥ずかしい気持ちが勝ってあまり読み返してないのですが、当時は失敗した!恥ずかしい!という気持ちでも、もう7、8年経ったら恥ずかしくもなんともなくなります。良いのか悪いのか、経験がちゃんと血肉になってるのか、なってないのか…
どうせなら直近の仕事も恥ずかしくなくなればよいのだけど。

今日のニット:新作のトレンカ3種のうちの1つめ。ついに新作プロジェクト動く。つくりたいものがどんどん出て来るけど、どっこいそうはいかないハイゲージの嵐!

今日の音:Taraf de Haidouks「Dumbala Dumba」愛するルーマニアのロマ(ジプシー)バンド。今日は羊を触ったので、ルーマニアの羊に会うのを楽しみにしながら久しぶりに聴いたけど、やっぱり前世はジプシーだったのではないかと思うくらい響きます。(その割になぜ音楽の才能はまったく残ってないのだろう…)特に表題の曲はいてもたってもいられず、踊ってしまいました。

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| ktn | 22:53 | - | - | はてなブックマーク - チェビオットを洗う このエントリーを含むはてなブックマーク
トントン
今日は朝から6月の編みラボの会場の下見に行ったあと教室を1コマ。いいところでやらせてもらえそうです。

昨日手に入れたスピナッツを読んで、よくも悪くも血気盛ん気味です。
ちょうどいま書いているコラムで伝えたいけど、なかなか言葉にできないことが、200%詰まっていて、そうそう!と頷きながら、なんで私はこういう的確な言葉に辿りつけへんのやろう(原因はだいたいわかっていますが)と複雑な気持ちです。
そうそう、ものづくりは限られた人のものでなく、すべての人のものなのだ。

また秋に向けての中期的な制作の企画をはじめました。近畿さんの新作を8点つくる予定です。

来月の撮影の日程も決まり、今日は秋までの予定がトントンと決まっていった日でもありました。dCprGのチケットも取ったし。
棉も、洋綿、和綿どちらも芽が出てすくすく育ってるし。先日、種だけ土に出てきてなんでやろと思ってたのだけど、芽がでる瞬間はこうやって種がぐっと上に上がってくるんやね。それから知らん間に取れてるんやけど、どこに行くんやろ。





今日のニット:なし。へたっぴなデザイン画を20点ほど。

今日の音:Juana Molina「son」
アルゼンチン音響派とよばれるジャンルの人ですが、地に足を着きながら、魂はフワフワと浮いたような、一個人と宇宙を繋ぐ奥行きのある不思議な世界観が大好きで、その空気感に憧れてなんとなくデザインをするときの定番になっています。彼女の演奏してる姿は動画でたくさん見られるけど、洗練された音とは裏腹に手作り感があってよいです。

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| ktn | 21:41 | - | - | はてなブックマーク - トントン このエントリーを含むはてなブックマーク
100年後
朝からポンタさんと打ち合わせ。また書籍の仕事に関わらせていただくことになりました。今までの作品に加え、新しい作品を1点追加します。
以前スピナッツで連載させていただいた作品なのですが、ほんの一部、今度は書籍となって載ります。
もうかれこれ8年前だということに驚きました。このときも変わらず目の前のことに必死で、目もあてられない作品なのではと思っていたのですが、まぁ、至ってない部分はやっぱりありましたがそのときなりに素材と向き合って格闘した痕跡が見受けられ、ちょっと微笑ましかったです。ようやく、素材と対話をすることを覚えはじめたときです。

ポンタさんとスピナッツの仕事を一緒にさせていただいたときに、作品の写真の撮り方や見せ方やレイアウト、細部にまでとことんこだわる情熱に圧倒されました。この企画以外でも、折にふれなんだかんだとたくさん関わらせていただいたのですが、その度に、本当に愚かで恥ずかしいですが、私のなかでは雑誌は書籍と違い消費されるものだと思っていたので、情報誌にここまでするのかぁ〜とその情熱に正直なところ面食らってしまいました。
そして今年の羊パレットを通して、そっか、ポンタさんは本気で100年後にも残るもんを作ろうとされてるんやなと。それは書籍であろうが雑誌であろうがイベントであろうがまったく変わらず。
後世に残るもんって言うのは簡単やけど、私に近い場所のそれってどういうことなんやろとあらためて考えると、例えばそれが書籍が雑誌かという形式なことは全然どうでもええんやわ。
というのはここ数年、編み物と違うことを勉強したいときには必ずといっていいほど、スピナッツのバックナンバーをあさっています。そういえばって思いつくのは大体スピナッツです。
これまで確か書いてあったなという記憶だけで追っていたのですが、そういえばこれを知りたいならこの号というとても丁寧なリストを定期的に作られていて、あ、これを見ればいいのかと最近気づきました。(ちゃんと見てないことがバレてしまいましたが)
ライト級、ヘビー級の読者わけへだてなく欲しいデータをナビするという、こういった細部の気使いにも感服します。

編み物本も、なんかあったなとか、なんかないかなって見返す本はわりと一緒だったりします。なので、実感としてはインパクトのある前衛的ものよりも、こうやって何度も見返すものが、残るものとしてしっくりきます。

羊パレットのアンデパンダン展も、周りの声は賛否両論だったけど、私はプロアマ、ジャンル、技術力うんぬん問わずにそれぞれの方がそれぞれの思いでつくったものがおなじ空間に並ぶことの意味を間近で見ることができました。
300人を超えるつくった人の気持ちをこぼすことのないよう、ひとつひとつ全力で受け止めて、撮影やキュレーションをするって、手仕事への並々ならぬ畏敬と愛情がないとできないことだと思います。言ってしまうと、作家さんだけの展示よりも何倍も大変です。でもそういう幅広さがあるから、今の手仕事の現状が見える。(例えばニット作品がめっちゃ少ないということでも、ニットをしてる人が少ないのではなく、向いてるベクトルが違うんだなぁとかとか。)またこれからも振り返って発見することが多々あると思います。


残るもんというのはそういうことなんやなと思いました。やっぱり情熱が1ミリでも欠けていたらこうならへんと思います。

興味のある方は明日発売されるスピナッツは羊パレット特集なので、ぜひご覧ください。ポンタさんはじめ、本当にたくさんの方のものづくりに対しての想いと息使いを感じる素晴らしい号です。




当日泣く泣く聞けなかった宇宙飛行士の秋山さんのレクチャー「羊をめぐる冒険」をテープ起こししたものが掲載されているので、それを読むのが本当に楽しみです。
手前味噌ですが、羊パレットの記録、映像、写真撮影を担当した映像作家の弟も寄稿しています。血が繋がってるのか疑問に思うくらい(顔そっくりですが)文章が秀逸でとてもよかったのでそちらもぜひ。





今日のニット:昨日から手がけたジュエリーヤーンのサンプル完。ようやくジュエリーヤーンに慣れてきた。

今日の音:Rubén González 「introducing...Rubén González 」
ブエナビスタソシアルクラブのピアノ弾いてる人のソロアルバム。アホなのでせっかくの情熱が違う方向にいきそうになるのですが、そんなときにいいかんじにクールダウンできるゆるラテン。

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| ktn | 23:50 | - | - | はてなブックマーク - 100年後 このエントリーを含むはてなブックマーク
毛100%の裏切り
ようやくコラムに着手しました。
自分の核の部分について話すのは本当に緊張します。先日、読む編み物本が欲しい(それを作っているわけではないのですが)ということを仰ってくださった方のあたたかい言葉のみを支えにやってます。

書くという行為は不思議。本当は文章じゃなくてニットだけで伝えることができたら一番なのですが。

そのあとは糸の手配と製作。靴下とルームシューズをつくる仕事です。糸の手配はほぼほぼ生徒さんのだけど、取引先の方に「まだ冬糸なんですか!」といつも笑われるのですが、もう今から夏糸しても間に合わへんからと、わりと未だに冬糸を頼むことが多いです。

去年はハマナカさんのアルパカモヘアフィーヌがよく出ました。教室のコマ数も生徒さんも少ないのだけど、なんだかんだでおそらく300以上は出てるのですごい割合です。
opalなどの細い段染め糸と引き揃えると大きい針でザクザク編んでもスカスカにならないし、モヘアなのに毛も落ちにくく発色もいいので、私もそれでつくったプルオーバーをよく着ました。
あとはAVRILさんのウールリングです。これは私が昔からよく使う糸なのですが、これも引き揃えると軽くてボリュームが出ます。これもopalとよく合わせました。opalを1本で編むのに疲れた時はすごくオススメ。近々生徒さんが仕上げられるので、あらためてこちらに記録しておくことにします。

どちらの糸も化繊がいい仕事をしているように思います。
今は糸の加工が本当に進化しているので、アレルギーなどの身体的な問題以外で毛100%でないと嫌という方も少なくなってきているのではないでしょうか。
かくいう私もちゃんと編み物を習い始めたとき、糸のことも全然知らないときは毛100でないとあかん気がしていて、でも学生時分でお金がなかったから、安い糸を買っていきました。(今思えばそれを許してくださった最初の師匠に感謝です)
そのときの衝撃はすごかった。ヤギか!というくらいゴワゴワでした。針のすべりも悪いし、編むたびにケンピは落ちるし(きっと短毛の寄せ集めだったんじゃないかな)ようこんなん売るなぁと買っといてなんですが、毛100に安心を覚えた自分を呪いました。課題の大作だったので、厳しい道のりだったということもありますが、初めての楽しくない編み物でした。
すぐにおなじ毛100のものをいろいろ引っ張りだしてきて、比べてみました。
すぐに毛羽立ちそうな毛のかたまりみたいな糸、コイルのような形状で肌触りのよい糸、弾力のあるフワフワの糸…そのときはスリープライの意味はおろか紡績のことについてまったく知らなかったので、おなじ毛100でなぜこんなに差があるのか気になりました。気になりすぎて紡ぎを始めたのはその2年後。
もしかしたら、毛100に思いっきり裏切られたのが、羊を知る旅のはじまりだったのかもしれません。


こないだ埋めた棉の鉢をのぞくと、やっと芽が出てきているのを発見しました。やっと!という気持ちやけど、きっかり1週間。棉をわけてくれた方にもらった説明書に「1週間で芽が出ます。」と書いてあったので、えらいもんです。
なぜかよくわかりませんが、つられてなのか、他の種がまだ種のままの状態で地上に出ていたのでもっかい土の中にひっこめました。焦らずに、今度は芽になって光を浴びにきてね。

今日のニット:かぎ針のハイソックス完。欲しい。秋頃に本に載る予定です。糸はメイドインturkeyの靴下用糸。

今日の音:amiina「kurr」おそらくリリースはもっと前ですが、去年の第三次アイスランドブーム(個人レベルです)のきっかけとなった1枚で、去年一番聴きました。ジャケットの時点でやられます。しかもアーティスト名が「アミーナ」!口に出すと編みぃな、編みなはれというニュアンス。













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| ktn | 23:50 | - | - | はてなブックマーク - 毛100%の裏切り このエントリーを含むはてなブックマーク
くだらない、サツマイモかチーズかの話
珍しく6時に起きて早めに出勤しました。パソコン作業は外のほうがはかどるのです。教室2コマ、資料送る準備、至福のチーズタイム(クラッカーにこないだ買ったブルーチーズ、ちょっとハチミツにハマっています)縮絨、原稿とわりと働きました。
去年、乳製品禁止令を自分に課し(汗をかく季節になると、おそらくアトピーをひきずった肌荒れが本当にひどくて、お腹とお尻がえらいことになってしまいます。ある方にそれは乳製品かも。やめてみたら?と言われたので)普段牛乳を飲まないので楽勝と思いきや、これが辛くて辛くて。
まず、ここ1年ほどグラノーラを1週間に1回は必ず焼いていて、食事やおやつの代わりにしているのですが、それには必ずヨーグルトが合ってしまうこと。
そして、チーズを愛していることに気づいてしまったこと。
というわけで、最初は豆乳料理のバリエーションを増やすことでなんとか耐えていたものの、1ヶ月ももたず、今はヨーグルトを育て(最初うまくいかなくて、いろんな方に相談したら、ある年齢層の方は絶対に経験しているということがわかりました。菌までいただいちゃった)、世界チーズ商会に通い、東方にチーズ友達までできてしまった次第です。(お互い足繁く通っているところがおなじお店の支店だった。)
仕事で知り合ったMさん。今度東京行ったときはチーズツアーに連れてってくれるそう。

たぶん、匂いが記憶と強烈に結びつくんだと思う。
おいしいチーズはサツマイモ(近い人は周知のとおり。文集で尊敬する人物に青木昆陽(甘藷先生)と書いた人間です。)よりも本当に印象に残る。
10うん年前に近所の店で食べたゴルゴンゾーラのペンネ(未だにその店ではこれしか食べないし、他の店で食べてもここが一番おいしい。)に始まり、トルコのおばあちゃんが作ったホロホロのハーブ入りチーズ、ポンタさんがご馳走してくれた串に刺して炙りながら食べるカチョカバロ、ハーブと油漬けにしたフェタチーズ。凝り性の妹が熟成させたカマンベール(市販のものの賞味期限をわざと大幅に無視して、ほんとうにギリギリ且つ最高においしいタイミングで箱をあけるという特技をもっている)などなど。
もしかしたらサツマイモを超えるかもしれない。あ、そんなことないわ。こないだ念願のサツマイモの株のオーナーになったのでした。

今日もどうでもいい話ばっかり書いてしまいました。乳製品断ちは下手な恋愛のように、離れて初めてあらためて好きなことがわかり結局溺れ続けるハメになりました。いやはやとくにチーズはあまりにも官能的やわ。そしておそらく今年も皮膚科に通います。

明日こそはコラム書こう。そしてやっと別の書籍の製作に入る予定。ずっと使ってみたかった糸を手配していただいたのでわくわく。

今日のニット:なし。カシミヤの縮絨だけ。新しい作品の配色をHさん(色の師匠)に相談する。

今日の音:Date Course Pentagon Royal Garden「構造1(現代呪術の構造)」
官能とはこれまさに。でもまだチケットとってない。

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| ktn | 21:53 | - | - | はてなブックマーク - くだらない、サツマイモかチーズかの話 このエントリーを含むはてなブックマーク
だって今夜は土曜日の夜
今日もひたすら自撮りが続きます。ブログでは調子よく文章を書いていますが(無意識にどんどん長くなってる)じつは別にコラムを書かないといけなくてそれがちっとも進んでいません。

初めて会う人にはくるくる動きまわっているイメージをよくもたれますが、ほんとのところ、めちゃくちゃ腰が重たくて近い人にはほんとに迷惑ばかりかけています。
環境が変わることや、自分のペースを乱されることに異様にストレスを感じる…というのは牡牛座の特徴とよく書いてあってまさにそうなんですけど、それって自分を見てるとただのワガママでただの言い訳やと思うわ。努めて直します。必ず明日は教室のとある件とTJWKのとある件を片付けて、ずっとモジモジして取ってないDCPRGのチケットとろう。。。

そんなことを思いつつもみんなが休みの日にこもってマイペースに制作するのはとても気持ちいい。仕事の電話もかかってこないし。一応自撮りの仕事も終わりました。
あとは具体的にかたちに落として提出します。

やりながら、またべつのかたちでニットのコンテンツ増やしたいなぁと思いました。動画撮るのは大変だけど写真より動画のほうが伝わるよね。(また私の関西弁に苦情がくると思うけど)そうやって連鎖的にやりたいことがどんどん出てきて、相変わらず雑念が多いなって自分でもあきれてしまうのだけど、きっとまた夜が深くなっていくにつれ、ぐるぐるとまらない。あ、今日は土曜日か。

土曜の夜はとてもぐるぐるまわってばかり
土曜の夜はとてもソワソワしてばかり
土曜の夜はあることないことばかり
土曜の夜は落ち着かない

とさとうくんも歌ってたな。

というわけで、ここ1週間ほどは夜の自由時間をすべて書くことに費やしたので、今日はべつのことをします。

今日のニット:編みサンプル
今日の音:bell&sebastian「tiger milk」




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| ktn | 22:03 | - | - | はてなブックマーク - だって今夜は土曜日の夜 このエントリーを含むはてなブックマーク
羊フルコース
とうとう朝のしんどさがイライラに変わり、朝からどうも気が立ってしまう。何にって自分のすべてにイライラしている。Mから久々に連絡がきて晩のお誘いを受けたけど、今日に限って外せない予定が入っている。こういう小さなことでもうまくいかないとイライラしてしまう。

なので午前中はあまり進まず、午後から仕切り直して、淡々と仕事する用であるバッハのリュート組曲第4番をかけながら作業する。するとあら不思議。どんどん集中してサクサクはかどる。結局、私のイライラはそんなものなのです。
今日は多分今までで一番セルフタイマーを使った日でした。自撮りといっても手先の自撮り。
編みプロセスのシュミレーションするためにいろんな作品の難しいところを何度も何度も撮る。最初は気の進まないしんどい作業やったけど、それはターゲットを絞るのを忘れていたからだ。あの人が編みたいなと思うように、わかるようにするためにどうするか考える。伝えたいことが整理される。編み図もそう考えたらもっとスイスイできるのだろうか。ラブレターだと思ったらいいんだね。

夜はポンタさんのとこでお手製羊のフルコースをよばれました。羊パレットのお礼に…と仰ってましたが、もう何度もそれでたくさんのお返しをいただいているのに(参加できたこと自体がそう)ほんとにいいのかなと思いつつ、超(腸)楽しみにしていました。
前菜はさっぱりとした甘さのピクルスとグリーンサラダに腸のトリッパ。パンにはレバーのパテ(これもすり鉢で作られたそうです。このの作業を想像するだけでも気が遠くなる。)を塗って。焼いたレバーは苦手ですが、これはいける。セージを効かせて臭みを取っているらしいです。その後の口直しの甘酒のシャーベットは途中で岩塩としょうがを加えながらいただきます。
そして肋骨のお肉のグリルは脂があまり食べられない私でもぺろっといけるほどのさっぱりしたコラーゲンのような脂身と濃厚な赤みの肉で卒倒しそうなくらいおいしかった。そこに、ミノ、心臓、肺、タンの串焼きと、マッシュポテトに、ブルーベリーとオレンジのコンポート(お肉と一緒に食べるとおいしい!)が添えてありました。
串焼きは塩だけの味付けなので、クセがありそうと思いきやどれもおいしかった。一口という量もいい。肺は初めて食べたけどプリプリしてとろけそうでした。
そして骨を煮込んで旨味たっぷりのシューパウロウのスープはパクチーとレモンが入っていて口当たりさっぱり、あとからじわじわ奥行きのある旨味が広がって芯まであったまる。…フォーを入れたい(笑)そしてシューパウロウの肉が入った和風冷製パスタ、焼きプリンで〆とポンタさんの尋常でない気合いとひれ伏すほどの深い深い思いやりが伝わる素晴らしいコースでした。

…ヘタな批評に聞こえますが、私自身へのメモです。いつか羊を飼ったときのために(というのは嘘です。飼うなら毛を目的にするつもり。)
お肉はもちろんすべて羊。サフォークとポールドーセットを掛け合わせた8歳のメスの羊一頭分だそうです。いやはやラムじゃないところも、すごいよ。私の舌は上品ではないので説得力がありませんが、成人(あ、人じゃないや)を扱いながら、これだけクセを操っておいしいお皿を出すお店自体もなかなかない気がします。

読んでて、うわダメと思った方すみません。興味のある方はポンタさんのところで販売されている羊の料理本をオススメします。

今夜はいろんな人と話せて楽しかったし、しかも最後にUさんにマッサージまでしてもらいました。ほんまになんとまぁ贅沢な。

Cちゃんに会えたのは嬉しかったな。彼女は羊パレットでみっちり一緒に仕事をしてそれから仲良くさせてもらっている織りの作家さんで、私よりうんと若いのですが、私がこれまで肌で感じながら積み上げてきた正常な感覚(正しい、間違っているという意味ではありません。私がクレイジーなら彼女もクレイジーということです)を持ち合わせているどころか、ちゃらんぽらんの私なんかよりずっと、ちゃんと、しっかり地に足ついて、真摯にものづくりをしている尊敬する作家さんの一人です。
話の内容の半分くらいは腰痛についてでしたけど(笑)羊パレット以後の、腰痛をはじめ体調の崩れ具合が見事にシンクロしていました。

そう、先日ポンタさんのところで羊の毛を買おうと言っていたのですが、今日はその下見もするつもりでした。
今の仕事がひと段落したらまた紡ぐつもりです。
そしたら、ポンタさんが担当される、とある本のことで声をかけていただき…ということは、紡ぐ仕事です。またものすごいタイミングにびっくりしました。落ち着け、落ち着くのだ。8歳のポーリーに畏敬の念を示し、そして心から尊敬する方と一緒に仕事できる喜びを噛みしめながら今日こそはぐっすり寝ます。

今日のニット:編みサンプル
今日の音:J.S.Bach「Suite pour Luth no 4 en Mi majeur BWV 1006a 」

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| ktn | 23:36 | - | - | はてなブックマーク - 羊フルコース このエントリーを含むはてなブックマーク
脱皮
ラブコメ映画2本分の代償が尾をひいてて、昨日も気味の悪いおなじ内容のような物語3本立てをオールナイトでみたようなかんじで、まったく寝た気がせず、這うように玉造へ向かう。
遠いけど通い続けて9ヶ月になるこの整骨院は、マッサージをやってくれるSさんの友人がやっています。昔怪我したところがまた疼きだしたところを彼女がここはいいよって紹介してもらったのがきっかけです。

マッサージはほとんどやらず、ちょっと指で押すとか、そんなんで治しちゃうところだよ。とほんまかいと思いながら通い始めたのですが、なるほど、マッサージやあたためたりするその場しのぎの気もちのよいことが一切ない。
基本は自分で歩いて自分で治そうねというスタイルなので通い続けないと治らないという気負いもなくてよい。そしていつもとても丁寧に見てくれて、日々なにをしているか、変わったことがないかをしっかり聞いてくれます(Sさんのマッサージの日や、旅行、出張の日程まで)。あとはBGMがよかった。とりあえず耳障りのよいボサノヴァコンピとか流しとけみたいなところが多いなか、(そう言えばボサノヴァはすっかり商業BGMになりましたね。サウダージは地球の裏側に置いてきぼりになり、「風」だけ取り入れたボサノヴァアレンジがいたるところで蔓延していて、それにいちいち目くじらをたてるようなことはまったくないのですが、ちょっと苦笑いしてしまう。)初日にこの人音楽好きな人なんだなぁとぼんやり思った。毎回違う曲(ジャンルもいろいろ)が流れてるけど、あ、これってあの曲ですよねという話に絶対ならない控えめさのある絶妙な音量。

わりと体が素直なので、施術後、短期的ではありますがいろいろ変化があって(まっすぐになった途端よく転ぶようになったり、高熱が出たり)楽しんでいたのですが、今年のはじめに本当に寝返りができない、起き上がれないほどの謎の辛い腰痛に襲われ、本当は今頃とっくに卒業しているはずがまだまだ通い続けないといけない状態です。
昨日会ったさとみさんも偶然にここに通われていたそうで、通ってる人みんなに、まだ卒業してへんの?と言われる始末です。加えて私が先生の言うことをちっとも聞かへんからやと言われるのですが、私はそんなことないと思っていて。
その矢先とうとう前回、先生にもおなじことを言われ(笑)自分の厚かましさが露呈したところです。

でもようやく痛みが最近マシになってきてふと思ったのですが、もしかしたら体重も関係しているのかも。わりと増減が激しいほうですが、ここ2年で6キロも増えてしまい、ちょうど腰痛がひどかったときがピークでした。先月ごろから意識してようやく4キロ落ちたのですが、あと2キロ。もうちょっと意識してみます。とか言いながら、今日の教室の帰りは大好きなお店のひとつ、世界チーズ商会に立ち寄ってしまい、大量のチーズを買ってしまいました。そして連鎖的にピザ生地とクラッカーを買い…あとはもうあれです。今日はお腹いっぱい。

梅田で乗り換え、うめだ阪急を通り過ぎると、せやせや、見ておいたほうがよい!と言われてたんやということを思い出し、ショーウィンドウの展示を見てきました。
現代アーティストの鴻池朋子さんが手がけためちゃめちゃでかいオブジェです。予習なしで見たので、背景のことはあまりわかりませんが、とてもおもしろかった。
部分的にフェルトや刺繍が施されていて細かい手仕事の要素が入っている作品としては、ほんとに大きいというのもあるけど、まずはギョッとします。先に素材を見ちゃうクセがあるせいなのか、生々しさがあって心地よくはなかった。悪趣味ギリギリに皮や羽根などのなまものをが詰め込まれていて、うん、やっぱりギョッとするとしか言いようがないのだけど、その感覚は自分のなかの今まで出会わなかったものに対して自己防衛がはたらいたようなもので、ちょっと興奮しました。それが最初見て感じたこと。もう一周すると、細かいところまで目が行くようになる。こんなに破壊力があるのに、想像する物語はすごく土着的で、アニミズムを感じるような有機的で温度のある作品だなと思いました。右下のタイトルにようやく目が行って、確か日本の美みたいなことが書いてあって、これはアニミズムのことなのではないかと勝手に納得してあとにしました。ウルトラQに出てきそうなでっかいなめくじみたいなものと月がダントツに好きです。





今日のニット:ミトンのサンプル。教室の日はあまり進まない。
今日の音:miho hatori 「ecdysis」じつはチボマットより大好き。名盤だと思います。今日見た展示にちょっと近いなと思いました。タイトルの意味が気になって調べてみたら「脱皮」でした。

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| ktn | 23:25 | - | - | はてなブックマーク - 脱皮 このエントリーを含むはてなブックマーク
実用と非実用、そしてラブコメ拒否反応は続くよどこまでも
 またやってしまった。

昨日みた映画のせいでとんでもない悪夢を見てしまいました。
アメリカ(あ、今回はイギリスかな)のラブコメ映画です。
遡ること10うん年前、ゆるーいマニアックなビデオ屋でバイトしていた私はなんでもタダで借り放題の環境をいいことに今まで見てないジャンルを見まくっていました。
そのひとつがラブコメディです。必ずといっていいほど、白ベースにピンクや赤の文字が入ったジャケットで、キュートな女優さんがわぁって顔してるやつです。
それを見始めて、最初は、なんというか、ジムにいるときのポシティブパワーにやられるような居心地悪さだけだったのが、2本目になると嫌な夢を見るようになり、何本かこなすごとに…これ本当の話ですがとうとう蕁麻疹がでて、見るのをやめました。
なかにはよいものもあったのですが、そのとき見た悪夢映画を、映画好きを自負する女子がナンバー1に挙げていることが少なくなく、非常に複雑な気持ちになりました。もしかして、私は本当の愛を知らない?(まさに、でてきそうなセリフ)

それから10年、またあらゆる映画を見まくり、ライトな海外ドラマもたくさん見て、実生活ももちろんいろいろあり、もう大丈夫やろと。今はhuluに入っていろんな映画が見放題なので、見てみた次第です。そして案の定冷や汗をかいてガバッと起きました。こういうのは心理学的に分析するといろいろありそうですが、(私も10年前は躍起になって原因を究明しようとしました。トラウマのようなものなのか、リアリティがないとダメなのかとか、もしかしたら頑張ったら奇跡が起きる、欧米的女性はこうでなくっちゃ像になにかしら嫌悪感があってこれは逆にフェミニズムに通じるのかしらなどなど…)結局見なきゃいいということで、あまり考えないようにします。落ち込むから。
でも好きなラブストーリーはたくさんあります。それはまた今度。

今日は夕方に突然ルイスさんから連絡があり、陶芸家の脇山さとみさんが京都の大丸でグループ展をされているとのこと。何度かお会いしたことはあるけど、彼女の作品は一度しか見たことなかったので、この機会を逃さないわけにはいきません。
トルコでも日本でもたくさんお世話になったトモエさんのお姉さんなのですが、会った瞬間、顔も声も喋り方もトモエさんにそっくりなので、もう普通にトモエさんと喋るノリで話してしまいました。でもおそらく大丈夫。ええ具合のユルさ加減もそっくりすぎて、勝手に大好きなトモエさんにも会ったような気さえします。いやはや、楽しいひとときでした。

さとみさんの作品は、眺めてとても心地よく、さとみさんそのものの人柄がかたちになったようでした。
オブジェと湯のみや小皿などの実用品と半々で、それが私には結構衝撃的でした。私にとって実用品と非実用品とはものすごい差があるのですが(その違いは「アートとは?」みたいなすごく退屈で長い話になってしまいそうなので、そういった見る者としての視点では言及しないことにして。)さとみさんの作品はその差がない。うまく言えませんが、例えば実用品は使う自分が容易に想像できるから距離がぐっと近い。でもオブジェは、少なくとも私の今までのオブジェというものは距離がバラバラ且つ極端で、突き放される崇高さだったり、はたまた土足で踏み込んでくる卑猥さだったり。だからオブジェとして成り立つものだと思っていました。
勝手な解釈ですが、さとみさんの作品はどちらも見事に距離感がおなじなのです。 どちらもごくごく自然に生まれてきたかのごとく、商業・非商業とか、アート・アートじゃないとかという隔たりがまったくない。かといって刺激がないわけでもなく、その人の宇宙を感じる深さがあって。どちらも手元に置きたい、とにかく絶妙な距離感なのでした。
実用・非実用と表現については、私にとって常に大問題なのですが、一緒に自分のことを話すのは大変おこがましく、くそみたいな自戒の念の羅列になりそうなので心にとどめておきます。昨日会ったSさんおなじく、ああこういう表現って素敵だなぁと心から思う方に出会えてとてもよい日でした。そして金欠なのにお皿を買いました。

今日のニット:大量の編みサンプル。
今日の音:「ダージリン急行OST」散歩のおともに。インドの巨匠(かどうかは知らんけど、)サタジットレイが素晴らしい。


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夜との攻防
今月に入ってからめっきり寝るのが遅くなってしまいました。
おかけで朝がほんとに起きられない。今日も朝8時半くらいに這うように起きてゴミ出して半分寝たままジムに行きプールで泳いでお風呂入って身なりを整えて、10時半に仕事開始、そのまま夜の12時に終わればよいな〜(まぁ実際そうならず)というのがここ最近の一番多いパターンです。理想の生活とはほど遠い。(理想の生活は6時25分に始まるテレビ体操をして、7時には仕事を始めてる…と言うてて恥ずかしいです)

でも、製作の仕事(特にショートスパン系じゃないほう)が続くと夜に燃えてしまう。うまく転がり始めるとすごく気分がよくなって、なんだか夜を世界を支配したような気になってしまい、そのまま寝るのも惜しくなってしまう。そのまま夜のなかを泳いでしまいたいと思ってしまうのだけど、どこかで、それは夜のせいだということもわかっていて。
ほら、夜に書く日記は変におセンチになって、次の日に読んだら赤面ものだったりします。夜のハイなときに浮かんだ企画も次の日見たらなんじゃこりゃということも多々。もしかしたらこっちが夜に支配されてるんじゃないかとも思うのです。
長らく読んでないので、もしかした記憶のなかで違うように変換されてしまってるかもしれませんが、つげ義晴の確か夜にのまれるというタイトルの漫画に、主人公が夜の闇に同化して、結局闇になってしまうというのがあって、その感覚に近いと思います。すごく怖いのだけど、同時に昼の社会から解き放たれた浮遊感に安堵したり、はたまた高揚したり…

…やっぱり夜更かしはいけません。


そして徹夜が完全に次の次の日ぐらいまで響くお年頃(尊敬する仕事人の方々からは気合が足りんと言いますが)、次の日の計画が崩れるのが怖くなって中途半端に引き上げるという、なんとも中途半端な日々です。

今日はかれこれ7年くらいになる左京区ニット会(いまのとこ唯一定期的にしている出張教室です。今は募集していません)で久々に全員揃う。いろんな分野の才能溢れる人が集うので刺激を受けます。
これもメンバーの方のお家で必ず夜に始まります。終わるのは大体9時半ごろ。
その方の生活空間のなかで(冬はコタツです)美味しいお菓子とお茶をよばれながら仄かな灯りのなかでやるニットは目がかなり見にくく、変わり糸のすくいとじとか絶対無理なんですけど(笑)みんなの近況を話しながら、かわいい猫たちが時々邪魔しにきたりして、そこでしか味わえない雰囲気がとてもよいです。



今日のニット:クラッチ2点の企画と製作。かわいいのんできた。明日出荷できる。
今日の音:she&him「volume one」お気に入りだった海外ドラマnew girlのゾーイデシャネルのバンド。ドラマはすごく面白かったのだけど、全部見てしまって寂しい。確か音源あったよなぁとそれまで全然聴いてなかったのにパソコンから引っ張り出して聴くぐらい寂しい。

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