先日、ポンタさんに仕事の相談をしたときに「あら今ちょうどいい毛が入ってきたのよぉー」と言われたので、相談ついでに伺ったときのはなしです。
ガレージの大きな机に溢れるほど羊毛の山がありました。
毛の質をチェックするポンタさん。
これらはすべて国産羊毛なのだそうです。
実際に毛を見るまでは、国産羊毛だからってあまりテンションが上がりませんでした。お肉は断然国産がいいのですが…なぜなのでしょう。
そらお肉は鮮度がちがうでしょうと言われそうですが、それ以外にもなにかある気がします。信頼なのかなんなのか、イメージとか先入観とか直感とか。なんでテンション上がらへんのかなぁと考えたときにいかに私がそういう目に見えないものを頼りに日々選択しているのか実感してハッとします。
あ、でも国産羊毛のテンションが上がらなかったのは単純に種類が少なそうだからかな。気候とか条件的に飼育できる種類が少なそうだから。
なので最初に見せてもらったのが私の大好きなマンクスロフタンで、度肝を抜かれました。マンクスロフタンは去年の羊パレットに出品したときに初めて触った羊でした。幻とも言われる独特の深くて甘い茶色、柔らかいけど、弾力がある上品さと粗野なかんじ、どっちも入り混じったなんとも言えない魅力のある毛でした。
って、日本でもとれるの。。
なんと言うか、例えば北海道に行かないと食べられない幻の魚がいて、わざわざ通っていたのに実は近所の店で食べられたみたいな話を思いつきましたがそれともちょっと違います。拍子抜けしたりがっかりするのではなく、とても嬉しい気持ちです。日本で飼育するのは簡単ではないはずなので、きっと環境もすごく気を使われて、大事に育てられているのではないかと思います。ああ素晴らしい。
ということで全国羊毛コンテストに集まった羊毛を一堂に拝見できる機会に恵まれたのですが、びっくりするほど、どの羊毛も素晴らしいクオリティなのでした。ポンタさんが扱われている外国の羊毛とほぼ変わらないです。
そして金賞を取ったのは何度も行ったことのある六甲山牧場ということにもびっくりです。そこをはじめ、ほとんどの施設は羊毛のために羊を育てているわけではないはずなのに毛のクオリティが高いかというと…羊毛コンテストを開催しているポンタさんの努力の結晶だと思いました。このコンテストも7年目だそうです。
羊のスペシャリストの方でも「毛」の方の知識はあまり知られてないらしく、コンテストをして、グレードをはっきりつけられることで(値段も)各々の羊の毛が他と比べてどれぐらいのものなのかわかります。
そしてポンタさんが羊毛の質をよくするためのノウハウを広めることで、全体的にどんどん質がよくなったそうです。これを続けていくにはポンタさんも牧場側の方々も並大抵の努力では難しいと思うので本当に素晴らしいことだと感動しました。
これは紡ぐ人からしたらほんとにありがたいことだと思います。質の高いものが安くで手に入り、しかも「国産」というちょっぴり嬉しいラベルが付きます。私の羊は岐阜県の牧場からやってきたようで、この毛の主が岐阜県にいるんだと思うとなんだか嬉しい気持ちになりました。
4日間かけて二頭分の羊を洗う。
はてさて初めての国産の羊はどんなんでしょう。この話はまた今度。
今日のニットと今日の音楽は前みたいにコンスタントに更新することができたらまた再開することにします。とびとびでやっててもあまり意味ない気がするので